白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

 本当にかわいい。

 自信なさげにうつむく
 十環先輩は。



 いますぐ
 ぎゅーって抱きしめたくなっちゃう。


 そう思った時にはすでに
 十環先輩にに抱き着いていた。



 十環先輩の胸に
 顔をぎゅーっとうずめてみる。


 十環先輩だってわかる
 甘い匂いを吸い込むと
 安心感に似た心地いい感覚に包まれた。



 もっともっと十環先輩を感じたくて
 抱きしめた腕に力を入れる。



「んん……」


 十環先輩の口からもれた
 苦しそうな声にハッとして
 腕を緩めた。

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