白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「いっくんが、このベスト着ていいって
 言ってくれたもん。
 いっくんは私のお兄ちゃんだけど……
 彼氏でもあるから……」


「は?」


 言っちゃった。
 言ってしまった。


「何それ?」


「あんたはただの、妹でしょ?」


「それにさ、あんたじゃ一颯先輩に
 釣り合わないじゃん」


 その言葉に
 すぐさま噛みついた桃ちゃん。


「お姉さま方。
 世界一かわいい六花を侮辱するの
 やめてもらえますか?」


 桃ちゃん。

 目が…… 目が……


 人を噛み殺しそうなほど……
 鋭く光っているんですけど……


「桃ちゃん、私のことはいいから……」


「そういうわけにはいかないでしょ。
 六花が勇気を絞り出したんだから
 私も腹をくくらなきゃね」


「え?」
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