ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
「男のタオルとかでもダメか?」

「はい?」

「だから、男が使ってるタオルとか触っても気分悪くなるのかって!」



「た、たぶん大丈夫」


「…」


バッグからタオルを取り出してあたしの膝に巻いた。

「いっ……」

「我慢しろ」



「ほら、お前後ろ乗れ。そんなんじゃどっちにしろ無理だろ!着いたら保健室いくぞ」


「え、でも……」


「つべこべ言ってんじゃねぇ!!!!」



こわっ……


これは逆らえない。


「これ被れ」


後ろに乗ると半キャップを渡された。

「あ、はい。」



リュウヤも前に乗ると、ギシッと原付が揺れて少し怖かった。


「は、初めてのバイクだ……」


「お前、俺のベルト掴んでろ」

「え?!」


「掴まねぇと落ちるぞ」



「うう……」

落ちるのは嫌だ

「気分悪くなったら横に吐け」


もう実際ちょっと気分悪い。


「さ!嘔吐ドライブスタート!」


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