桃の華〜溺愛イケメン社長〜
誓います
今日は私の誕生日で、学校が終わり次第桃田さんとデートする約束をしている。

桃田さんは忙しいだろうけど、私のために時間を作ってくれた。

彼氏と過ごす初めての誕生日。

今からドキドキするよ。

だって、もしかしたら今夜は桃田さんと…ついに!!


学校が終わると、校門前まで桃田さんが待ってくれていた。
桃田さんはカッコいいから、女子生徒たちがキャーキャー言われている。

それなのに、桃田さんは出てきた私に気付いて、手を振ってくれた。

「華ちゃん、誕生日おめでとう」

「ありがとうございます」

「じゃ、行こうか」
 
そう言って、差し出されたち桃田さんの手を握った。

そして、桃田さんは駅の方に向かって歩こうとするけど…。

「今日は車じゃないんですか?」

周りを見渡しても、桃田さんの車が見当たらない。

「うん、今日は歩いてデートしようかと思って。放課後デートみたいでしょ?」

「はいっ」

まさか桃田さんと放課後デートを出来るなんて思ってなかったし、すごく嬉しい。

一緒に帰ったりしているカップルが羨ましかった。

桃田さんと電車に乗り、原宿へとやって来た。

今日は高級レストランやクルージングデートとは違う、高校生らしいデートをしてくれるつもりなんだ。

原宿でクレープを食べて、雑貨屋さんでヘアピンを買って貰って、プリクラも撮った。

それにお揃いのルームウェアまで買ってもらった。

「桃田さん、ありがとうございます」

初めてのお揃いですごく嬉しい。

「華ちゃん、この後は服を見に行こうか」

そう言って、桃田さんが見立ててくれて、白い花柄のワンピースを買ってくれた。

それをすぐに着て、その後は桃田さんに促されるまま美容室で髪の毛もセットまでされる。

なんだか桃田さんの手にかかって、大人になっていくみたいだよ。

「そろそろお腹すいたね。ご飯食べに行こうか」

美容室を出ると、桃田さんはそう言った。

そして、タクシーに乗りレストランへと連れてきてくれた。

「ここって…」

「覚えてる?初めて一緒に食事をしたお店だよ」

もちろん、覚えている。
このお店で桃田さんが付き合おうって言ってくれたんだ。

私たちの始まりのお店だ。


< 103 / 117 >

この作品をシェア

pagetop