桃の華〜溺愛イケメン社長〜
「過去にもそう言う女が何人かいたけど、ドライに付き合えるなら誰でもよかった。華ちゃんと再会するまで、自分がしてた事の浅はかさに気づかなかった」

アヤミンさんが女を弄ぶって言っていた意味がわかった。

私の知らなかった桃田さんの過去を聞かされてショックだけど、桃田さんが私と真剣に付き合ってくれていたことは変わりないと思う。

「傷つけてしまって本当にごめん」

桃田さんが震えているように見える。

それを見て、私の胸はまた締め付けられる。

「…ごめん」

桃田さんが“許してほしい”と言えば、私は許してしまいそうなのに、桃田さん決してその言葉を言わないんだ。

桃田さんはそう言う人だよね。

私の気持ちを尊重してくれる。


「もう、桃田さんとはいられないです。ごめんなさい」

そう言った私の声は震えていて、泣いちゃいけないと思っているのに涙が止まらない。

私は自分の部屋に行き、桃田さんから貰ったネックレスと指輪を外し箱に入れた。

そして、桃田さんへ返すと、それを持って帰って行った。


本当に別れちゃったよ…。

すごく苦しい…
息の仕方を忘れたみたいに、どう息をしたらいいのかわからないよ。

なんで、こんな事になっちゃったの?

私が高校生じゃなくて、二十歳を超えた大人だったらよかった。

だけど、年齢ってどうにもならないんだね。


桃田さん…
別れたばかりなのに、もう会いたいよ…。


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