桃の華〜溺愛イケメン社長〜
皆んなはアヤミンさんに夢中で、私とセリナは部屋に行こうとエレベーターを待っていた。

「華さん?」

名前を呼ばれて振り向くと、マキノさんがいた。

どうしてマキノさんまで沖縄にいるの?

「高校生の制服を見て華さんの学校だと思ったけど、まさかこんなところで会うなんてね」

私もマキノさんと一緒で偶然にすごく驚いている。

「こんにちは」

「修学旅行?」

「はい。マキノさんはお仕事ですか?」

スーツを着ているマキノさんを旅行客だとは思えない。

でも、お仕事で来ているってことは、桃田さんもいるのかな。

「社長は来てないですよ」

「え?」

「気まずそうな顔をされたから」

私、そんな顔してたんだ。

すぐに顔に出てしまうのは、いつまでも変わらないんだね。

「すみません」

「社長と会いたくないですよね」

会いたくないわけじゃない。

むしろ、会いたい…。
会いたいと思わない日はないほどなのに。

「では、修学旅行楽しんでください」

マキノさんはそう言って去って行った。


マキノさんに言われたからじゃないけど、初めての沖縄を楽しもう!

ひめゆりの塔、首里城、美ら海水族館を観光して、ガラス村で綺麗なガラスたちに囲まれてはしゃぎ過ぎた。

昼間はみんなと過ごして楽しいのに、夜になると眠むれなくなる。

寝ても、夜中に何度か目を覚ましてしまう。
その度に桃田さんのことばかり思い出して考えてしまう。

どうしても眠れなくて、ロビーの自動販売機に飲み物を買いにきた。

「こんな時間に何してるんですか?」

先生に見つかったと思いドキッとしたのは一瞬で、後ろにいたのはマキノさんだった。

「驚かせちゃってすみません」

「い、いえ」

マキノさんもアヤミンさんも同じホテルに泊まっていて、誰かがアヤミンさんはCMの撮影をしているんだと話していた。

私はその話を聞いて、桃田さんの会社のCMの撮影なんだと思った。


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