強引な彼と恋のマジックドライビング
「でも結婚するまで絶対に手をだすなよ?
ずっと俺が大事に守ってきたんだからな。

そうやすやすと触らせないから覚悟しろよな。

柚月、朝陽を頼んだぞ。お前が俺の代わりに一生朝陽を守って愛してくれよな」

拳を合わせて約束した大地の笑顔が俺の脳裏に深く焼き付く。

大地と交わした最後の約束。


なぁ大地、逝くには早いよ……。

お前は誰かを一途に想い愛していたのか?

自分自身は幸せだったのか?

お前の口から俺は朝陽ちゃん以外の女の名前一度も聞いたことなかったぞ?


大地が朝陽と血のつながりがないことを俺は結婚式の数日前に朝陽の両親から伝えられた。

このことは朝陽だけが知らない…。

大地は今は亡き、親父さんの兄夫婦の一人息子。

あぁ、大地、お前は本当に朝陽ちゃんをずっと大切に見守ってきたんだな。

一人で墓参りに来た俺は大地に改めて約束する。

「大地、朝陽と結婚するのにずいぶん時間くっちゃったよ。

お前と約束してからもう16年だ。
お前もうそばにいないくせに朝陽を守りすぎだ。

これからは俺がそばで守るから俺が隣にいていいだろ?
朝陽は俺がもらう。いいよな、大地。

絶対に幸せにする。

約束するよ」


さっと風に揺れた桜の花びらがハラハラと舞い落ちる。

明日は朝陽と結婚式だ。
天気予報は晴れ。

朝陽はすっかり大人で美人な女性に成長したぞ。

大地、俺たちを見守っていてくれよな。


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