強引な彼と恋のマジックドライビング
「大地、俺本場で料理の勉強してこようと思うんだ」

専門をでて、ホテルで働き始めた俺は、働きながらフランス語を学び、留学準備を始めていた。

夢は自分の店を構えること。
その未来予想図にはもちろん朝陽ちゃんが俺の隣で笑っている。
一瞬顔をしかめた大地は

「どれくらい日本離れるんだ?」

車をいじっていた手をとめた大地が、手にしていたスパナを工具箱に片付けドカリと俺の隣に腰掛けた。

「で、どれくらい離れんの?」

「長くて5年。
‥‥‥戻ってきたら成人してる‥‥」

「待たせるつもり?」

薄々気づかれていたとは思っていたが面と向かって聞かれたのも答えるのもはじめてだ。

真っ直ぐ見つめる大地と目を合わせることができなくて、天井を見上げて苦笑いしながら大地の質問に答えた。

「いや、気持ちを伝えるつもりはないよ。
まだ高校生だ。俺はそばにいれないんだ。
自由に恋愛すればいいさ。
戻ってきたら全力でものにしに行く。
いいだろ?大地」

大地にようやく真っ直ぐに目を合わせると、大地はくしゃりと笑い

「しかたないから悪い虫がつかないように、俺がしんたが戻るまで見張っててやるよ。
ありがたくおもえよ?」

と肩を叩いた。
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