桜田課長の秘密
「約束……します」
私が断れないって分かっているくせに。
課長は、心底ホッとしたように破顔した。
妖艶な表情の奥から、時折浮かび上がる少年のような笑顔。
こんなのを見せられて、堕ちない女がいるんだろうか。
ぼんやりと見とれていると、不意にその笑みが深まる。
「えっ……ふぁ」
ゆらりと瞳が揺くのと同時に、下半身に下りてきた指が、お臍の下で円を描く。
たまらず跳ね上がろうとする腰を、もう一方の手に押さえつけられた。
「よかった、ではご褒美を差し上げなくてはね」
言葉と同時に、稲妻のような刺激が背骨を駆け上がった。
いったい自分の体に何が起こったのか、彼が私に何をしたのか。
分からない。
もう何が何だか分からないけど、課長の指に、唇に、瞳に、声に。
ただただ翻弄され、そのたくましい体の下で喘ぎ続けた。