幼なじみの彼とわたし
遥ちゃんの両手がわたしの両肩を押して、ゆっくりと体を起こされる。

ごめん、か。
だよね、わかってる答えだったけどやっぱりキツい。


「うん、ごめんね、わかってたから。ごめんね、伝えたかっただけだから」

落ち着きかけていた涙がまたこぼれそうだ。


「いや、そうじゃなくて。よく聞こえなかった…というか、聞き間違えたというか。だから、もう1回言ってくれる?」


もう1回?

さっきありったけの勇気振り絞ったんだけどな。
呼吸を整えたあともう1度伝える。


「わたし、遥ちゃんが好き。幼馴染みとしてじゃなくて。男の人として…」


今度は遥ちゃんと向かい合っている。
遥ちゃんの視線を感じてやっぱり声がちっちゃくなってしまう。


「……え?」

沈黙が続く。
答えはわかってるから。
遥ちゃんがいる間は泣くなよ、わたし!

耐えられなくなり、遥ちゃんの上から降りようとするとまたぎゅっと抱き締められた。
こんな情けない顔を見られたくないからよかったけど、フラれるのにこれはつらいな。
でも、力が強くて離れられない。


「ごめん、やっぱり顔が見たい」


遥ちゃんはそう言って、また力を込めて体を引き剥がして、わたしの顔を覗きこむ。
どんな顔になってるんだろう、わたし。
ぐちゃぐちゃだろうな。


「本当に?」と遥ちゃんは聞いてくる。
それに対し、俯いたままコクンと頷く。


「ヤバい、すっげぇ嬉しい!!」


そう言うとまたわたしをぎゅっと抱き締めた。
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