幼なじみの彼とわたし
「わかるよー。すごく似合ってるんだもん。髪型も?」

「え?あ、う、…うん」


ネットを見て「こんなかんじは?」と遥ちゃんが言ってくれた髪型だ。

やっぱり恥ずかしくて、最後の方は声がほとんど出ず、コクンと頷いただけになったかもしれない。
恥ずかしいならごまかせばいいのに、ばか正直に肯定してしまう。


「ほんと似合ってるね、亜衣紗ちゃん」

そう言っていずみんは笑っている。
おそらくわたしの顔は赤くなってるはず。。。


「ねぇ、いずみ!亜衣紗!来た来た来た来た!見て見て、あそこ!」

麻ちゃんの言う方を見ると、正装した遥ちゃんと上野くん、加藤くんの三人が歩いてきている。
何話してるんだろ、三人とも笑ってる。
やっぱり遥ちゃんカッコいいな。


「ちょっと!にっしー、カッコよすぎない?」
「うんうん」
「今日もキマってるね」
「ほら、モーリーの奥さん側の女の子たち、すごい見てるよ」
「ほんとだー」


麻ちゃんといずみんが盛り上がっている。


「ねぇ、亜衣紗。亜衣紗ってば!」

麻ちゃんに腕をとんとんされて我にかえる。


「ん?あ、何?」

「何?じゃないわよ、亜衣紗。見とれてたでしょ?」

にやっとした麻ちゃんの顔が目にはいる。


「へ?」

「へ?じゃなくて、にっしーに見とれてたでしょ?って聞いてるの!」

「いや、見とれてたって言うか…。カッコいいなとは思った」

素直に言うと、ふたりとも少しびっくりした顔をした。


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