カッコウ
先に着いていた健二達。向かい合って座っていた二人。

みどり達は、自然とパートナーの隣に腰掛ける。
 
「はじめまして。」
 
「こちらこそ。よろしく。」

居酒屋の席は並んで座ると距離が近く、孝明もみどりも笑ってしまう。
 
軽くビールで乾杯して、簡単に自己紹介や近況を話す。

途中、みどりがウーロン茶に切り替えると、孝明は
 
「すいません、俺も。」と言った。
 
「佐山さん、お酒駄目なの?」

あまり減っていないビールを見てみどりが言うと、
 
「弱いんです。すぐ赤くなるし。」

と孝明は答えた。そして
 
「みどりちゃんは?飲めるんでしょう?」と聞く。
 
「これ一杯くらいなら。でも家遠いから。帰ること考えると飲めないですね。」

みどりはジョッキを指して笑いながら答える。
 
「埼玉だよね?」

紗江子から聞いているのだろう。孝明は言う。
 
「はい。奥の方です。ほとんど群馬。佐山さんは?」

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