【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
言わずに後悔するより
言って後悔するほうがいいって
どうしてそんなこと考えてしまったの?
わたしは、そんなに強くなかった。
これ以上、前に、進めない。
「そういう目で。刹那のこと――」
「柚月さん」
誰かに、声をかけられた。
現れたのは
「……黒羽根くん」
――――悪魔
「名前で呼んでくれていいよ」
この悪魔を
親しげに呼ぶつもりなんて、ない。
ないのに。
「ほら。呼んで」
「……セロ」
自然と、名を口にしてしまった。