【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
きっとそのつもりなら、最初から、ずっと脅してきた。
俺に食われろと。
わたしをどこかに監禁してしまうくらい容易いはず。
でも、そうじゃない。
一応わたしは高校生を続けられている。
家族の記憶を操作されたものの無事だ。
冷酷なクセに
面倒くさがりなのに
少女漫画読んでわたしのツボおさえてくる、奇天烈。
「なに黙ってんのよ。黙秘権なんてないから」
――――ジャキッ
パラパラと床に散る髪
「いきなりそんなに切っちゃってー」
「不揃いなのも可哀想だから反対側も切ったげたら?」
目を瞑って、
時が過ぎるのをまった。