【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「悪趣味だよね。動画まで残すなんて。拡散させるつもりだった?」
「……なんで。ロック……かけて、あるのに」
彼には嘘も誤魔化しも通用しない。
ピキ、と
ガラスが割れる音がした。
次の瞬間
アコ先輩の携帯がバラバラに崩れる。
「え……なに……今の」
「君もこうなりたい?」
「やだ……ねえ……黒羽根くん。そんなかお、しないで」
わたしに背を向けているセロは、どんな顔をしているのだろう。
彼女の消えそうな声から
絶望する言葉から
甘いマスクが外れているのは、明白だ。