【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「やだ……なあ。そんな」

「冗談キツい……よ。王子」

「ほ、ほら。だから、やりすぎだって言ったじゃん亜子」

「そうだよ。止めたのに……!」


口々に言い訳を始めるのは

セロに、怒りの矛先を、自分に向けて欲しくないから。


「……裏切る、気?」

「ちょっと脅かすだけって言ったから、協力したんだよ」

「あんたたちだって笑ってたよね!」


声をあげたあと、ハッとして


「ちが……う、よ?」


あからさまに動揺しながら、セロに向かって首を横に振るアコ先輩。


「ただ、仲良くしてあげてただけで」


アコ先輩のポケットから


セロが――スマホを取り出した。
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