【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


なに言われたっけ。


「自分の女を綺麗にしてやるのは。当然だろう?」


――――"俺の女"


「刹那の望みを叶えるのは。俺の役割だ」

「……そう、なの?」

「俺は刹那になら、いくらでも労力を惜しまないのだろうと思う」


唇を、わたしの口元へと近づけてくる。


「おなか、すいた……の?」

(はらわた)が煮えくり返った。傷ついた貴様を見て」


…………!


「ヒトの想いに興味などなかった。いいや、今も同じ気持ちでいる。ただ。刹那の心だけは大切にしてやりたくなる」

「……なんで」

「その髪は、刹那が嬉しくなるように願ってセットしてみた。刹那の悦びは――俺の悦びだ」
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