【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


 *


「わたし、友だちと帰るから!」


放課後

教室までセロが迎えに来たが、断った。


その様子を見ていた女子たちが驚愕している。


「王子からの誘いを……」

「断った?」


宇宙人を見るような目でわたしを見てくるのはやめてよ。

王子といたらいたで文句言ってくるし、なんなの!


「トモダチ?」


爽やかな笑顔で問いかけてくるセロは、

『貴様に友達などいるものか』

なんて思ってそうだなあ……。


「うん。雛と!」


セロは、わたしの隣にいる人形みたいな美少女に視線をうつすと


「じゃあね」


あっさり帰って行った。


よかった。

それでも俺と帰れと命令されなくて。
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