【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


セロの香りをわたしに?


「バカっ……そんなことして、どうする――」

「うちに帰るぞ」


わたしから顔をそむけたセロが

不機嫌な少年みたいで


それを見て、わたしは


「……うん」


不覚にも、かわいいと思ってしまった。


「わたしの家なのに」

「俺の住み処の一つになった」

「スミカ……って。いくつかあるの?」


返事はない。


「……雛って、どうしてあんな格好しているのかな」


女の子だと思っていたら、男の子で。


人間でなく吸血鬼。


「やっぱり、相手を油断させるため?」


か弱く見せかけて、ガブリ、みたいな。

< 344 / 484 >

この作品をシェア

pagetop