Keeper.ll
*..*






「酷い!」

『……だからごめんって、、体育祭の時はちゃんと応援するから。』

「……本当?」

『はいはい、本当だよ。』



今はもう放課後。それなのに千歩はまだ、ぶすくれている。走り終わった時に千歩がどうだった?と私たちの方まで来たのだけれど、千歩が走っているところを私たちは見ていなかった。


実際は一瞬しか見ることは出来なかったけれどフォームも綺麗なものだったし、そんなには悪いとは思えない。だから適当に流しておけばいいと思ったのに、帯刀が馬鹿正直に「見ていなかった」と告げてしまったため千歩はさっきから拗ねているのだ。


「まぁ、別にそんなに怒ってないんだけどぉ……私も子供じゃないしぃ?」


と言いつつもへそを曲げているのだから子供に変わりはないだろう。


「そういえば、今日は雪くん委員会なんだって。」

『うん、さっき帯刀から聞いたよ。』


「そっか!あれ、要くん?」


校門に行けば、そこに寄りかかるようにスマホを弄っていた赤髪がいた。


夏川要……帯刀が先程言っていた幼なじみだろう。


「あ、千歩さんと、……、」

『紫陽里香です、よろしく。』

「ああ、はい……、んじゃぁ、行きましょう。今日は俺が雪さんに変わって千歩さんのこと護衛することになってるんです。」

そう言って、千歩に向けてにこりと笑った男はまるでこちらが存在していないかのような、冷たい視線だった。


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