Keeper.ll
私に負けた。私が幹部室に出入りしている。その事実が受け入れられない……というかなんというか。許せないのだろう、自分が憧れている人達と一緒に行動する女が。そういう人種はよくいるし苦労もしてきた。
だから、それに関してはまだ問題は無いのだ。ただ、1つ問題があるとしたら。
憧れている人を尊敬する人はいる……というか、尊敬が憧れなのだけれども。それは当たり前だったとしても、たまにいるんだ。
憧れ、尊敬と崇拝を吐き間違えているやつ。【あの人】を崇拝している人たちを大勢見かけて来たし、私自身も副総長をやっていた時にいた。
そういう奴はめんどくさい。少し刺激を与えるだけで直ぐに破裂する。
尊敬か崇拝かは分からないけれど夏川は……いやわからん。分からないわそりゃぁ。
まぁどっちでもいいけど。よろしく、と言われたら形だけでも"仲間"であるのだから挨拶を返すのは当たり前なのではないだろうか。
私の事なんて気にせずに千歩とお喋りをしながら歩き出した夏川とは反対的に、周りを警戒して歩く。
永富は楽しくお話をしながらも、周りの警戒は怠らなかった。そりゃぁそうだ。これで敵に襲われてやられてお姫様奪われました、なんてとんだお笑い話だ。