ウチの塩が切れました。
*
「まだ続けるつもりなの?その茶番」
お昼休み。
なんの脈絡もなく訝しげにそう言ってきたのは、私の親友・愛華。
「……茶番?なんのこと?」
「とぼけるつもり?塩崎よ。あんだけ顔が良い奴にあんだけアプローチされてて、クラッと来ないわけ?」
「ええ……愛華もそれ?しかも茶番って……」
私たちがふざけてるように見えます?
いや、塩崎くんの方は冗談なのかもしれないけど。でも私はわりと本気で困ってるんだよ。
「まあ塩崎があんな風になるとは思ってなかったから、面白いっちゃ面白いんだけどね」
「私の好きだったクールな塩崎くんはどこに……」
「“ああ見えて彼女にデレデレだったらギャップだよねー!”とか言ってたじゃん」
「よく覚えてるねそんなこと……」