私の仮恋人は親友のお兄さん

再び会場

廉人さんは
私の腰を支えながら
ホールに連れて行ってくれた

廉人さんは、片手で乱れた髪を掻きあげる

その仕草さえ、どきっとするから…不思議

さっきまであの指で…あの身体で…そう思うとまた体が熱くなってくる

「帰る?」

心配そうに廉人が言ってくれる

え?

まだ一緒にいたいってバレちゃったのかな?

「今の花音
すごく可愛いんだけど

キスしてもいい?」

「嫌だ」

ホールの隅で
廉人さんはキスをする

唇に1回
額に1回
首筋には2回

鋭い視線を感じて
私は顔をあげると

麗華さんが見ていた

「廉人さん
麗華さんが見てるよ!」

「うん
いいんじゃない?」

「よくないよ」

「これで変な男を使わなくても
俺と花音が恋人同士だって

わかるでしょ」

「でも」

「本当は俺
帰りたいんだ」

「え?」

「ベッドで花音を
愛したい」

「ええ?」

廉人さんは
また
唇にキスをした

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