太陽 ~出会い~
最終章 本当の意味
翌日。

結局、一睡もできなかった。鏡を見てみると、目の下にクマができていた。

だって…気になるんだもん…。

聞きたくて聞きたくてムズムズして、施設長の部屋に行ってノックをした…が…

返事ナシ。まだ寝てるの…?

まぁそれはそうかも。まだ朝の4時半だし。仕方ない、もっかい寝るかなぁ。

一つため息をついて、部屋に戻った。寝る気がなかったので学校の支度をすることに。

洗顔して、長めの髪をコテで伸ばし、制服に着替えて、ナチュラルメイクをして…

これが、私のいつものパターン。まだ、5時半だ…。ヤバイ、超ヒマ。

私は机の上に置いてあるノートパソコンを開いた。これは、1部屋1個あるパソコンだ。

そう思うと、結構ここってお金あるなぁ…みたいな。

私は適当にこの施設に近めの施設を調べた。

私のワガママになると思うけど。

やっぱり諦めきれないんだ、日向のこと。

日向のいる施設に移ることはできなくても、ちゃんと「短い間だったけどありがとう」って言いたいんだ。何も言わないままなんて、絶対嫌だから。

私はここの施設の住所を検索した。

“東京都○○市△△△―☆☆の翠の園施設”と入れた。

そうすると、すぐにHPが出てきた。『付近の施設』と書いてあった所をクリックした。

そして、片っ端から施設をクリックしていく。今気付いた。

「あ、私何してんだろ。名前出てくるわけないのに…」

私は少し考え、ここらへんの施設は全て紙にメモり、施設を出た。

「よぉーし!!!探すぞぉ…」

後先何も考えずに行動しちゃう。それが私だから…。何も持たずに何も食べずに来た。

けど私は走り出した。一つ一つ、無駄かもしれないけど色々な施設にあたって。

「はぁ~…いない…」12つくらいある中で、もう9つの施設にはあたった。

しかも、こんな早朝に…馬鹿みたいだよね…。

「よし、あと3つだもん!!頑張ろッ!!」

自分に言い聞かせるように私は叫んだ。

そして私は10つ目の施設、『三田川施設』にあたった。

「あのっ…早朝にすみません、翠の園施設の者ですが…日向君っていますか?」

「あ、日向君ですか?はい、いますよ!!」

「本当ですか?!」
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