保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。



「はい完了」

「……すごい、」

夏目くんがドライヤーのスイッチを切ったとき思わず心の声が漏れた。

細くて少しくせのある私の髪の毛は、普段、手ぐしとドライヤーだけじゃうまくまとまらないのに。

ベッド横に立てられた鏡に顔を向ければ、髪の毛が綺麗にまとまっているのが見えた。

自分ではこんなに綺麗にできない。

「言ったでしょ?慣れてるって」

「……はいはい」

そう適当に相槌を打って、夏目くんのベッドから出ようと身体を動かした瞬間だった。

「……っ、ちょ、」

後ろから手が伸びてきて。

掴まってしまった。

「……離してっ」

「んー?」

「離してってば」

「郁田さんから俺と同じ匂いがするんだよ?変になるに決まってる」

肩に彼の顎が乗れば、そのまま吐息が耳にかかる。

わざとらしく。

「てか、郁田さん細すぎるよ。ちゃんと食べてる?」

後ろからお腹に手を回されて逃げられないように固定されたまま。

サイズの合っていないブカブカの袖から見えた手首を掴まれた。
< 135 / 335 >

この作品をシェア

pagetop