あの空に手を伸ばして
ついに




「美咲っち!クリスマス、集まれる人だけで集まろって話してるんだけど、こない??」

明日から冬休み。

相変わらず空気の悪いこの教室から抜け出そうとしたとき、クラスメイトによびとめられた。


「あ、ごめん・・クリスマスは・・」

「もしかして鬼頭くんたちと??」

「うん」


海でスペシャル花火大会を命名した徹くん曰く、クリスマスは「みんなで楽しくクリスマス」らしい。


なんでそこは普通なんだとつっこみたくなった。


「そっかー!じゃあしかたないね」


わたしがサクたちと仲がいいことはみんなに知られている。

クラスは違うのに、サクはやっぱり中学のときのことが結構知られていてそんなサクと仲がいいわたしに近寄ってくる男子はいなかった。

まあほとんどクラスにいないわたしだから、近寄ってくるもなにもないんだろうけど。

「じゃあ、また3学期。よいお年をー!」


そんな声に見送られ、わたしはサクたちのクラスへと向かった。
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