あの空に手を伸ばして


――コンコン

サクはまだ肩が完全に治ってはいないから入院している。

わたしと同じ病院だったから、受付の人にきいたら病室を教えてくれた。


「はい」

久々にきくサクの声。

わたしは深呼吸をして扉をあけた。


「み、さき?」

サクはとてもびっくりした顔でわたしの顔を凝視していた。

「うん、きたよ」

「もう、美咲は俺の顔なんてみたくもないと思ってた」

「サク、教えて。サクのこともっと知りたい」

わたしのその言葉だけで何を知りたいのか理解したらしく、サクはゆっくりと頷いた。
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