女王様の言うとおり
「それなら俺も行く」


そう言ったのは奏の彼氏だった。


「はぁ? あんたがこの女いたぶってくれんのかよ!?」


奏の取り巻きが声を荒げて言った。


今から繰り広げられる乱闘を想像してうろたえる生徒たち。


いや、乱闘ではなく単なるイジメかもしれない。


「ちょっと、先生呼んで来ようよ」


そんな声に振り向くと、ヒナが立っていた。


廊下の騒ぎを聞きつけて教室から出て来たみたいだ。


「うん」


あたしは短く頷き、ヒナと2人で職員室へと急いだのだった。
< 61 / 228 >

この作品をシェア

pagetop