Bitter Sweet
喋り終わった後、蓮斗は泣いていた。


よりかは泣きじゃくっていたの方が表現的には合っている。


私の想像以上の苦しみをお母さんも蓮斗も味わっていたんだね…


ずっと自分の気持ちを閉じ込めてしまったのも全てはお母さんに心配させたくないから。


「ごめん、泣いて」


「ううん、いいの。お母さん良いお母さんだね」


「弁護士ばっかりで俺に構ってくれてなくてめっちゃ寂しい時期あってさ、でも家に帰ると少しイラついてるし俺もムカついたことあるけど、全部は俺のために倒れながらも頑張ってくれているんだと思って」


「お母さんは若い時に蓮斗を産んで苦しいことたくさん乗り越えられたのは蓮斗がいたからだよ、お互いがお互いを支え合っていたからここまで来れたんだよ。」


「うん、あ、あと、親父は、咲良ちゃんからしたら校長になるから今聞いたことはあまり気にしないで?」


「うん、気にしないようにする」


「もう寝よ、明日から俺また部活なんだよ」


ドキッ


明日から部活…


どうかバレないように。


秘密が増えるのも体に悪いんだなと実感した。
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