Bitter Sweet
ーガラガラ


「木崎先生!」「咲良ちゃん!」


みんなの私を呼ぶ声。


「いきなりの転任でびっくりしたと思います、1年間だけだったけど本当にみんなの頑張る姿は私に元気を与えてくれたし、2年間みんなのことを見れなくて残念です。でも、2年間、焦らなくていい、マイペースでいいから、頑張ってね!」


「木崎先生、最後に写真!」


「そうだね、撮ろうか、あー、尚長先生!、お願いしてもいいですか?」


「いいですよ、思いっきり笑うんだぞ!」


クラス40人と私、そして尾川先生とで集合写真。


「ありがとう」


「それじゃみんな元気でね!」


私は教室を出た。今でも泣きそうだ。


尾川先生のホームルームしている声が遠のいていく。でも…


「木崎先生!!」


「蓬莱くん」


「どういうこと」


「ごめんね、それしか言えないの、今ホームルームなんだから教室に戻って」


「ホームルームなんてどうでもいい」


「どうでも良くない、蓬莱くんは生徒だから、ほら戻って」


「咲良…」


すごく切ない蓮斗の声。


「俺ら別れないよね?」


「ホームルームが終わったら羽柴先生のところに行ってね、それで全てがわかるから」


私はそれで学校を去った。


この学校も私にとっては青春を送れた学校だった。ありがとう、そしてごめんね…
< 51 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop