Bitter Sweet
同じ場所での旅行
-蓮斗side-

修学旅行in沖縄


朝5:30集合は鬼畜すぎる。


こんなに早く起きたことがない。


羽柴から1人1人点呼される。


朝だから声が出ない。


「はぁい」


自分でも驚く低い声だった。


「蓮斗、蓮斗!!」


「お、おぉ?」


「眠そうだな」


「恒星は眠くないのかよ」


「全然、元気だよ、おはよう羽柴先生!!!」


大きな声で挨拶する恒星。


羽柴は「相馬くん声が大きいね、私まだ眠いよ、でもおはよう」


引かれてるじゃねーか。


「恒星、俺寝るから起こすなよ」


「俺だけかよ元気なの」


「お前だけだ、おやすみ」


恒星は起こしてこなかった。


その代わり俺を起こしたのは碧海だった。


「蓮斗ー、蓮斗ー」


後ろのバス席の間から俺の肩を叩いてくる碧海。


結構痛い。


「なんだよ、俺寝てたのに、てか痛い。」


「もう着いた、羽柴も恒星も叩いたのに全く起きねーんだもん」


「え、まじで?」


「みんな待ってる、早く行こう」


「お、おう」


バスで爆睡した俺は飛行機では恒星や爽汰たちとずっとお菓子食いながら映画を観てた。


そして沖縄初上陸。


めっちゃ暑い。半袖半ズボンで正解だった。


昼飯を班で自由で決めて食べていいらしい。


「なに食べたい?」


「俺なんでもいいや」


「悠仁はなに食いてえのあるか?」


「……寿司」


「あー、寿司いいかもな、俺最近食ってない」


「じゃ、寿司行こうぜ」


昼は回転寿司で5人でたらふく食べた。


碧海の同じ剣道部の悠仁は、寿司が大好きらしい。普段無口だから意見言うの珍しいと碧海が言っていた。


俺も2泊3日の旅行中にハンバーグ食べようぜ!と言ってみようかなんて思った。


1日目は美ら海水族館。


水族館なんていつ行ったか覚えてない。お母さんと行った記憶だけある。


爽汰と恒星は彼女と何度も水族館に行ったらしく、


「つまんねーけど、綺麗だな」


「俺はイルカショー見たいな」


2人なりに楽しんでるみたいでよかった。


水槽で自由に泳いでる生き物たち。


ずっと眺めていると、咲良の言葉を思い出す。


輝かしい高校生という時間を楽しんで……


俺は今は高校生。あと1年半で終わる高校生。その限られた時間で咲良は思いっきり楽しんでほしいと言ってくれた。だから俺なりに楽しんでるよ。それと同時に未来に向けても頑張ってるから、咲良お願いだから待ってて。



何度も心の中で決意したけど、何度目か分からない決意を水槽の生き物たちに向けて小さく呟いた。


俺はまさかすぐに1年半後に会う相手に会うとは思いもせずに…


ホテルについて、夜ご飯まで部屋で待機。


部屋割りは恒星と爽汰、碧海と悠仁と俺まさかの1人部屋。くじ引きで決まってしまったから仕方がない。


でも1人部屋は普通に嬉しい。


部屋の鍵をもらい、恒星や碧海の部屋番号を聞き、(隣だったけど) エレベーターに向かう時、


俺ははっきり見た。


帽子を被っていたけど、顔ははっきり見えた。


咲良だ。


こんなに暑いのに、黒い半袖シャツ着てたし。


エレベーターは7階に止まった。


咲良は7階にいるのか。


俺の部屋は8階。まず俺の部屋に入って、ベッドにダイブ。


まさか咲良に会うとは、心臓がドクドク鼓動を打っている。


咲良に会いたい。


さっきエレベーターで顔は見たけど、他の先生もいたから咲良の高校も沖縄に修学旅行なのか、そして同じホテル。


偶然って重なると人の運命を変えることがある。


偶然ってすごい。


でも咲良の部屋番号までは分かんない、まず咲良を探していいのか。


このままスルーしようか。


今会っても咲良にとっては迷惑だと思うし、咲良は会ってくれないだろう。


でも、言いたいことが1つだけあった。


たまたま咲良に会ったんだ、今日がチャンスだろう。


なんとかして咲良に会おう。


そう決めて、恒星の部屋に行って先生に内緒でゲームして、夜ご飯の時間がやってきた。
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