Bitter Sweet
夜ご飯の会場は2階にあって、18:00より前に来たのに生徒はもう来ていた。


よっぽどお腹が空いていたんだろう。


「みんな、班で固まって食べてね、バイキングだから自由に食べていいけど、19:30までには食べ終わること!」


みんなは各自に班の番号が書いてあるテーブルに座る。


まだ来てない子がいたため、部屋に行って呼び出してなんとか全員がご飯を食べ始めた。


私は、カレーが食べたい気分なのでカレーとサラダとフルーツポンチを持って教師のテーブルで食べる。


涼宮:「暑いのによく熱いカレーを食べれるね」笑


木崎:「みなさんは…ラフテーでしたっけ?」


石川:「そうそう、ラフテーにうどん!これが意外と美味しいんだよ」


木崎:「そうなんですね」


涼宮:「そういえば、今日と明日うちの高校と陽の川高校が泊まるそうです」


十坂:「陽の川高校ですか?」


あ、十坂先生は絵梨花がいることに気づいた。


私も十坂先生と絵梨花が同じ場所にいることに今気づいた。


蓮斗のことで頭がいっぱいだった。


涼宮:「そうなの、陽の川高校と言えば前木崎先生もいたよね?」


木崎:「えぇ、担当してた子が1年なので今いるんです」


涼宮:「それは偶然ね!」


木崎:「は、はい」笑


涼宮先生がうどんを食べ終わった席を立って会場の真ん中に行く。


「食べ終わったら、各自に部屋に戻っていいけど、外には出てはいけません。他の部屋には22:00までいいとします。22:00になったら、先生達が各部屋を訪ねてメンバーチェックするから覚えておいてください、明日は自由行動で夜20:00までいいから今日だけ我慢してくださいね、それじゃ食べおわったら各自に部屋に行ってね、以上」


涼宮先生が唐揚げやいろんなおかずにご飯を大盛りのメニューをお盆に乗せて持ってくる。


石川:「めっちゃ食べるね」笑


涼宮:「食べないとやっていけないです!」


石川:「それはそうだね、俺もお肉食べようかな」


木崎:「私、お先に失礼します」


涼宮:「もういいの?」


木崎:「はい、デザートたくさん食べたので」


涼宮:「木崎先生、22:00になったら女子部屋のチェック私がします、明日木崎先生がお願いします」


木崎:「分かりました」


食事会場からエレベーターに乗るとき


「木崎じゃね?」「木崎先生!!」


後ろを向いたら、陽の川高校2年生の子たちに会った。


元1-5の子たちや数学を教えてほしいと言われてたくさん話した子、みんな私のことを覚えててくれていた。


「木崎先生も修学旅行ですか?」


「そうだよ、みんな元気?」


「元気です〜」


「そっか、ならよかった。」


エレベーターが開く。待ってた人全員乗ったらブザーが鳴ったため、私が降りてもう1つエレベーターが来るのを待つ。


そしたら、後ろから来たのは蓮斗がいる5人組だった。


後ろは振り向けない。このまま乗るのは気まずい。


私は、トイレに行くことにした。


なにも用はないけど、あのまま乗るのはちょっと気が引けた。


前担任してた生徒だけの関係じゃない生徒もいるから……


私が気にしなきゃいい話なんだけど。


やっぱり気になってしまうし、蓮斗は元気に頑張ってるかな?とか考えることがある。


深呼吸して、今はなんとか平常心を持たないと。


トイレに出て、エレベーターに向かう時に、蓮斗がいた。


エレベーターに乗ってなかったの…?


蓮斗が近づいてくる。私はスルーはできない。


ここは教師として


「蓬莱くん、久しぶり、元気だった?」


蓮斗はなにも答えない。そして私の耳もとで


「俺の部屋、807号室、いつでもいいから来てほしい、なにもしないし、ただどうしても話したいことがあるだけだから」


と言って、蓮斗は階段を上っていった。
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