ノクターン
深見さんと別れて、二人で食事をしながら 智くんに言ってみる。
「だからね、私 もっともっと素敵な女性にならないと。引け目とか 感じている暇はないなって思ったの。智くんと居て、智くんが 恥ずかしくないような人になるからね。」
私は頬を上気させていた。
「えー、麻有ちゃんが これ以上素敵になったら、俺、麻有ちゃんをおいて 仕事行けなくなっちゃうなあ。」
智くんは、甘く言う。
「やだ、恥ずかしいよ。」
私は オムライスを口に入れながら俯く。
「俺も、オムライスになりたいよ。」
「もう、智くん。」
私が前向きになればなるほど、智くんは深く私を愛してくれる。