ノクターン

新居で迎える 初めての夜。



灯りを消した寝室の カーテンは開けたままで。

広いベッドにもたれて 智くんに肩を抱かれて外を見る。
 


「智くん、ありがとう。私を選んでくれて 本当にありがとう。」


静かな幸せに満たされて、私は智くんを見つめて言う。
 

「こちらこそ、ありがとう。麻有ちゃんに出会えてよかった。」

智くんも答えてくれる。
 



「なんか、神聖な夜だね。」
 


「そうだね。今日の事は、ずっと忘れないよ。」


智くんは 私の唇をふさいだ。

それは温かい、神聖なキスだった。


< 119 / 270 >

この作品をシェア

pagetop