ノクターン
新居で迎える 初めての夜。
灯りを消した寝室の カーテンは開けたままで。
広いベッドにもたれて 智くんに肩を抱かれて外を見る。
「智くん、ありがとう。私を選んでくれて 本当にありがとう。」
静かな幸せに満たされて、私は智くんを見つめて言う。
「こちらこそ、ありがとう。麻有ちゃんに出会えてよかった。」
智くんも答えてくれる。
「なんか、神聖な夜だね。」
「そうだね。今日の事は、ずっと忘れないよ。」
智くんは 私の唇をふさいだ。
それは温かい、神聖なキスだった。