ノクターン
20

翌日、私達は軽井沢に向かう。

私達とお父様達は 別々の車で。

お母様は、ホテルのレストランを 個室で予約してあった。


私達は、予定の11時半より少し早めに着いた。
 
ロビーに行くと、私の家族が 緊張した面持ちで座っていた。
 


「麻有ちゃん、この洋服 変じゃない?」

母は、上品なスーツを着ていた。
 
「素敵よ。美奈ちゃんが選んだの?」

妹もおしとやかなワンピース姿で。
 
「そう。いいでしょう。パパに買ってもらったの。」

と自分の洋服も指す。
 

「美奈ちゃんもお嬢様っぽく見えるよ。」

私は 笑いながら言う。
 


「ウチの両親も もうすぐ来ますので。先に行きましょう。」

と智くんに促されて、私達は個室に入った。
 

「何か、緊張しちゃうわ。」

と落ち着かない母に
 
「大丈夫よ。とっても優しいご両親だからね。」
 
「お母様には、昔 何度かお会いしているからね。でも、お父様に会うのは 初めてだよね。」

と父が言う。
 

「普通の父親ですよ。オヤジギャグの好きな。」

智くんは、笑顔で言った。
 

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