ノクターン
23

朝、私は智くんより先に起きて シャワーを浴びる。

身支度を整えて、智くんを起こす。

智くんが シャワーを使っている間に 朝食を整える。

二人共 支度ができたら “ いってきます ” のキスをして、一緒に家を出る。
 



「どお? 新婚新婚生活は。」

ランチタイムに美咲に聞かれる。
 

「幸せだよ。怖いくらい。」

私は、素直に答える。
 

「ちょっと。少しは遠慮しなさいよ。」
 
「でも、本当だよ。時々 怖くなるの。こんなに幸せだと、次に何か 悪い事が起こるんじゃないかって。」

私は 不安を打ち明けてみる。
 

「違うよ。麻有子達は、今まで10何年間 離れ離れでいた訳じゃない。これからは その寂しさを相殺する為の幸せなんだよ。だから、もう悪い事なんて 何も起こらないよ。」

美咲の言葉は優しく、私を救ってくれる。
 

「ありがとう。そんな風に考えた事、なかった。何か すごく安心した。」

私は素直に言う。
 

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