ノクターン
30

「入籍した後、どこで食事しようか。」

朝、トーストを食べながら 智くんに聞かれる。
 
「私、横浜がいい。あのレストラン。」




あの日から始まった。

幸せのすべてが。
 


「そうだね。横浜にしよう。」

智くんは、笑顔で大きく頷く。
 
「クリスマスイヴだから。今日、予約しておくね。」
 


「ありがとう。いよいよ、だね。」

私は、何となく 瞳を潤ませてしまう。
 



「今日は、麻有ちゃん先に帰っていてね。」
 


私達は、キスをして家を出た。
 

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