ノクターン
34

早起きと フライトの疲れで、早く眠った私達は 翌朝 朝日で目覚める。
 

「智くん、いい天気だよ。来て。海が綺麗だから。」


バルコニーから 智くんを呼ぶ。
 

「よく寝たなあ。麻有ちゃんは、ぐっすり眠れた?」


気持ち良さそうに 伸びをしながら 智くんも バルコニーに出てくる。
 


「うん、ばっちり。ねえ。早く海に行こうよ。」

智くんの腕を揺らして、私は言う。
 

「じゃあ、食事の前に 散歩しようか。」

智くんは 私を甘く見つめる。
 

「行く。行く。」

と私達は 部屋を出た。
 


広い庭園を ぐるりと回ってみる。

木立が太陽を遮り 心地よい風が吹く。
 

「わあ、プール。もう人がいるよ。」
 
「麻有ちゃんと同じだね。」智くんは笑う。
 

「えー。だって。もったいないんだもん。」
 

「俺達も、プール入る?」
 
「ううん、海がいい。」
 

「じゃあ ご飯食べて 海に行こうね。」

智くんの楽しそうな笑顔が 幸せな私を もっと幸せにする。 
 

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