ノクターン

お父様は今回も お店に連絡を入れておいてくれた。

私達は丁寧に迎えられ 案内された6階のサロンでは お姉様の時の担当の方が待っていてくれた。
 

「この度は、おめでとうございます。ご子息様、お二人とも担当させて頂き光栄です。」
 
「いやいや、こちらこそ。お世話になります。今回も、宜しくお願いします。」

と智くんのお父様は とても低姿勢で。



そもそも、こんな所まで 気軽に出向いてもらえるような人じゃないのに。

私は、驚きと感謝で 胸がいっぱいになる。
 


「あれ、麻有ちゃん、可愛いね。」

コートを脱いだ私を見て お兄様が言う。

お姉様も 笑顔で頷いて
 
「本当。もう花嫁みたいよ。」と言う。
 


気軽に話してくれるお兄様だけど 

将来は社長になる方で。

本当に私は すごい人達に 大切にされていると思う。
 

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