ノクターン
翌日の仕事帰りに、智くんは私の部屋に寄ることになった。
康平が毎日10時頃まで仕事をしていたので、残業は大丈夫なのか聞いてみる。
「遅くても8時には帰っているよ。コンプライアンスがうるさいから遅くまで会社にいられないんだよ。休日もきちんと休めるし。」
智くんの答えに、私は笑顔になる。
「智くん何が食べたい?智くんの好物って何?あ、難しいのは無理だよ。」
「ハンバーグとか鶏のから揚げとか。俺、嗜好が子供だから。」
智くんは照れた笑顔で答えた。
「がんばって作るね。失敗しても笑わないでね。」
嬉しそうな智くんの笑顔が、私もうれしい。
また明日も智くんに会える。
毎日でも会いたい、ずっと一緒にいたい。
こんな気持ちは初めてだった。