密室でふたり、イケナイコト。


そして、周囲より一際高いビルの前でピタッと立ち止まり、誰にも見られていないことを確認して、カバンからあるものを取り出す。



関係者しか入れない、専用のバーコードが書かれたストラップ。



「ご苦労さまです」



外に立っている警備員の人にあいさつして、カードをかざすと、ピッと音がする。



ウィーンと音をたてて開いた自動ドア。




わたしは吸い込まれるように、その中へ入っていく。


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