密室でふたり、イケナイコト。

今の時間は昼休み。

暑いけれど、外に3人で座り込んでお弁当を食べている。

ここはわたしたちしか知らない、秘密の場所。

日陰になっていて涼しいし、周りには誰もいないから、存分にオタクトークをしてるんだ。

高1の夏に見つけて以来、暑い時はいつもここ。


それにしても……


まさかその話題が出るとは思わず、つるっと箸で掴んでいた卵焼きを落としてしまった。

何も触れてこないから、てっきり気づいてないと思ってたのに!!!


「な、なんでそう思うのっ……?」

落ちた卵焼きにごめんなさいしつつ、ごまかすようにそう言えば、2人は顔を見合わせて不思議そうにしている。

「なんでって……、ねぇ?」

「普段教室でもゆずきに話しかけてこない成宮が、何かとこっちに来るし」

「その度にゆずちゃん、挙動不審だし」

なんて、さらりと言われる。

「………」

ですよね────

あれで気づかない方がおかしいか。

そりゃあ……

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