密室でふたり、イケナイコト。

「ふふっ……!
相変わらずだね、2人とも!!」

「それはゆずきの方でしょ!!
今日はちゃんと、日向くんの水筒持ってきてるし!!」

ビシッとりみっちに指さされたそれは、わたしの愛してやまないもの。

「えへへっ……」

今日は忘れてこなかった!!

うん、やっぱり日向くんを見ると元気が出る。

キラッキラの笑顔がまぶしいよ!!!

水筒を掲げて、こらえきれずにニヤニヤしてると、はーちゃんがバッと立ち上がった。

「ヤバい、先生に呼ばれてたんだった!!」

「あっ!!あたしも隣のクラスの子に用事あるんだった!!」

「えっ、そうなの!!?」


途端に2人して、あわあわとお弁当箱を片付け始めた。


「じゃあ、わたしも……」


ここで一人でいるのもなんだし……

そう思って立ち上がろうとすれば、2人にずいっと顔を近づけられた。


えっ……な、なに?

その焦ったような顔は……?


「あたしたちは行くけど、ゆずきはゆっくりしてて大丈夫だからね!!」

「うん!!!
まだ昼休み時間あるしね!!」


そう言うと、バタバタと走って教室へ戻っていった。

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