密室でふたり、イケナイコト。

この声を聞いたら、またひどいことを言われるんじゃないか。

嫌がられたり、不快な気持ちにさせたりするんじゃないか。


離れていくんじゃないか。


2人を信じていないわけじゃない。


だけど、どうしてもあの出来事は忘れられない。

トラウマに、思わず手が震えそうになる。

涙が出そうになって、震える手を押さえようと、ギュッと握る手に力を込めた時。


「ゆずき」

「ゆずちゃん」


2人がそっと手を重ねてくれた。


「「大丈夫だよ」」


「あたしたちはここにいるから」

「私たちを信じて」


まっすぐ、でもとても優しいその眼差しに、冷たい心が溶かされて、あたたかくなっていくようで。

1つ頷いてから、口を開いた。

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