密室でふたり、イケナイコト。


「その、髪……」


「ああ、これ?」


暑いからいつもは上げてるけど、今は濡れてるし、縛っておいたら、後で髪、絡まっちゃうしね。


手ぐしでとこうとすると、さっきまで笑っていた成宮が、こちらを凝視していた。


なに、固まってるんだろ?



「えーと、成宮?」


「っ……」


どうしたんだろ?


口に手、押さえてるし。


もしかして、体調悪いのかな?



だとしたら大変!!


また梅雨の時みたいなことがあったら、次はなんて言われるか……



「成宮?もしかして体調が……」



熱を測ろうとぐっと距離を近づけると、腰に手を回された。



< 370 / 380 >

この作品をシェア

pagetop