密室でふたり、イケナイコト。


「約束…、してくれる?」


「っ…」



耳に流れ込んでくるようなその低音に、必死に頷くも、膝が震えてガクガクしてしまう。



「それと…就職活動前だってのに、ここで騒いで学校に迷惑かけてるって企業にバレたら、どうなる?」



そして、トドメを刺すようににっこり笑う。



「もう二度と、ここには来ないでくれる?」



その言葉には不釣り合いな、色気たっぷりの声に、囁かれた子の膝が崩れ落ちる瞬間。



「す、すみませんでしたぁぁぁー!!!!」


「ごめんなさいぃぃぃぃー!!!」



今にも白目を向いて倒れそうなその子を無理やり引っ張り、その子以外の全員が大声で謝りながら、全力で逃げていった。



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