シロツメクサの花冠【完】



「えっと、天ぷら粉、さつまいも、海老、玉ねぎ……」



母によって乱雑に書かれたメモは、いかにも天ぷらを作ります、と言ったメモだった。


メモを見ながら歩いていると、すれ違う人からチリンチリンと自転車のベルの音がして顔を上げた。


ふと、横を見ると、そこは咲智が小さい頃、よく遊んだ公園。


昔はもっと遊具があったはずだけど、今はジャングルジムに鉄棒、あとはブランコくらいしかない。


懐かしいな、と公園の横を通りながら歩いていると、その場所にいるにはあまりにも似つかない見覚えのある人がいた。



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