縁の下の恋

加速する恋



今回のコンサートは、かなり一理にとっては大変ではあったが、そのたびに渡辺や他のスタッフの人達と色んなコミュニケーションが取れたことそして何より照明の勉強をさせてもらえたことが大阪へ行く上での不安を少しは和らげてくれた。



翌日に大阪へたつ前結城に渡辺と2人呼び止められた。


「お前らっ、明日大阪だけど…判ってるだろうな?渡辺っ!お前は、初めてじゃないよなぁ?」


「はいっ!関西の奴等に舐められないように、キッチリ!しかも、リョウさんですからね。気合い入れてきますから!なぁ!一理?…一理?訊いてんのか?」



「…ああっ、はいっ!」


「何…ぼーっとしてんの?お前リョウさんのコンサートだぞ!今度は、見とれてぼーっとすんなよ!関西の奴等に笑われちまうからさ!上手くやれれば照明の補佐の仕事に食らい付けるかもしれないから…」



「渡辺っ!一理は高い場所は大丈夫だったか?」



「ええっ!もうっ、全然OKでしたよ!オマケにこいつ電気系統詳しいのなんのって、俺なんかが全然知らないことまで知ってますからね!驚きっすよ!」



「おうっ!やっぱりか!じゃあ2人共明日から気合い入れてな!」
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