縁の下の恋
久し振りに昔の自分がそこに居た。
「一理さん!今日は、泊まっていくのよね?お部屋は、あの日のままなのよ!お部屋のクリーニングも先日してもらったし、あの狭いマンションよりは、寝心地が良いはずよ!」
「いえっ、今日は帰ります。明日は、色々とやることがありますから…後でお祖父さま達にご挨拶してきます。」
「仕事…どうなの?身体無理してるんじゃないの?休みを貰って暫く此所へ帰って休むとかはできないの?」
「今はまだまだ覚えないといけないことが沢山あって、自分で好きでやってる仕事ですから、心配しないでください。」
どうしても素直に溶け込めずにいる一理であった。
一人マンションに着いてようやく息がつけたように思えた。
やはり今の自分にとっては、分からないなりにも、仕事をしている時の自分が一番自分らしいと思えた。
それに…
リョウのコンサートでいずれか照明を任されるまでなれたら…
一理の儚い夢であった。
誰にも言えない夢だった。