縁の下の恋
第4章 恋の行方

新しい人生



一理は久し振りに森本の祖父と話すことが出来た。


大学を卒業する前に仕事を決めた際も祖父は何一つ反対をしなかった。


ただ…何か悩むことがあれば、相談に来るようにだけは言われていた。


そんな祖父が一理は大好きだった。


「いちっ!お前も知ってるだろうが、LED照明のシェアが世界中に広まりつつあって生産量も増えつつあるんだが…」



「ええっ、ようやく広まってきたかなぁ!って思ってます。お祖父さまのところでも、子会社で?」



「ああっ、まだまだコストの問題があって…今海外で生産させて、少しでもコストを下げることが出来ないか、あと、技術提携も含めて3か国ほど計画中なんだが…出来ればその技術提携チームに一理に参加してもらえたら?って思ってるんだが……」


「私に……ですか?」


「いちは、語学は大丈夫だから、向こうの技術員ともまずは会話が出来るし、専門分野だから、興味あるだろ?この際どうだ?」


「……お祖父さまっ!暫く考えさせてください。来週には返事しますので…」


「ああっ、分かった。良い返事聞かせてくれよ?待ってるからな!」
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